フランスはストライキで学校が休みになる!

フランスに住んでいて困るのがストライキ。バスなどの交通機関やガソリンなどの供給ストップも困りますが、子育て中の親にとって非常に困るのが「先生のストライキ」による学校の休校です。特に、保育園や学童を兼ねるフランスの幼稚園や小学校の休校は親にとって大きな影響があります。今回はフランスで遭遇した教職員のストライキとその影響についてレポートします。

目次

学校がストライキで休校になる!?

「明日のストライキで学校が休みになるか、各学校で確認してください」

パリ市役所からスマホに届いたメールを読んで私は頭が真っ白になりました。

「えーー!?学校ってストライキするの???明日、幼稚園あるかな?」

一気に不安が増します。

何でもマクロン大統領が打ち出した公務員の雇用と福利厚生削減案について、全国の公務員が怒り、ストライキをするとのこと。今回は空港や医療機関の他、学校の労働組合がストライキで市民生活に影響が出る可能性があるとのこと。

学校が休みになるかもしれないと、動揺した気持ちのまま幼稚園のお迎え時に向かいました。幸い先生に確認すると息子の幼稚園は休校にはならないとのこと。少し拍子抜けですがまずは一安心です。

実際に休校になった学校も

我が家はストライキの影響を受けませんでしたが、実際に休校になった学校もあったようです。

学校関係では先生のほか、給食のおばちゃんや放課後のアクティビティを担当する学童の先生もストライキをします。

友人の幼稚園の場合、学校そのものは休校にならないものの、給食と学童の職員がストライキでお休みになったそうです。そのため給食の時間は自宅引き取り、午後の「授業」のため再度幼稚園に子どもを連れて行ったあと、15時以降がまた学童閉鎖のため2回目のお迎えに行かなければならないそうです。親としては一日に何度も学校に行かねばならず非常に面倒です。特に共働きの家庭は仕事を休むか、替わり送り迎えをする人を手配しなければなりません。給食や学童の休校だけでも大きな影響です。

現地の報道によるとパリ市内の662校ある幼稚園と小学校のうち、70校がお休みの可能性があると伝えています。実際どのぐはい休校になったのかはわかりませんが、開校している学校でも職員の数が減るといった影響があるようです。

学生もストライキする

ストライキ当日にびっくりしたのは、大人の学校ストライキの裏で、パリ市内のとある高校の生徒によって学校が封鎖(ブロック)されたというニュースです。これは一種の学生ストライキのようですが、テレビの映像では高校の門の前に生ゴミとガラスがぶちまけられ、鉄門は燃やされて黒焦げになっていました。なんて過激!!

フランスでは学生が「将来を良くするために」と自分たちの主張を訴える風習があり、大学などでも学生ストライキが度々あるのだそうです。若い時からストライキで社会に向けて主張することに慣れていくという意味で学生ストライキは好意的に受け取られているそうです。

ただ、今回の高校の件はお行儀が悪すぎたのか、フランス人から見てもやりすぎなのか、区長が「訴状を警察に出す」とコメントしました。さすがに扉を燃やすなど、暴力的な行為はNGのようです。

 

というわけで、先生たちのストライキによって学校は休校になるは、校門は燃やされるはで、少なからず通学する生徒や保護者に影響があったようです。一般市民としては早く正常化して欲しいところですが、マクロン大統領も簡単には引き下がりそうもありません。今後ストライキが長期化、過激化しないことを願うばかりです。