テロが頻発する時代に外国で身近な危機に備える方法

自宅から徒歩5分のところでテロ未遂が発生しました。今回何より恐ろしかったのは1週間間、事件があったことすら知らなかったことです。テロが頻発する地域でどのように身を守るための情報収集をしていったらよいかを考えます。

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テロはすぐ身近にある

いつもの通学路で爆弾騒ぎがあったそうです。イスラム系過激派によるテロ未遂だそうです。とあるマンションの入り口にガスボンベとガソリンによる時限爆弾をしかけていたそうなのですが幸い手口が稚拙で未遂に終わりました。犯人はつかまりましたが、逮捕者の一人は過去にも逮捕歴があり当局からマークされていた人物だったようです。テロを予防することの難しさを感じます。

しかも今回の事件は日本人小学校に通う家庭が多く住むエリアで、事件現場の半径50m以内には同じバスポイントの6家族のお友達が住んでいました。我が家も歩いて5分のところです。もし爆発していたらと思うと本当に怖い。フランスに来て半年の間にほぼ毎月パリやフランス国内でテロが発生していますが、まさかこんな近くで起きるとは!というのが正直な感想です。

犯人が捕まったとほかのママさんから聞いた時はびっくりしました。そもそも、ほとんどの日本人がガス漏れかな?と思っていて、爆弾事件だとは知らなかったのです。フランス国内では結構大きく報道されていたらしいのですが。爆弾事件そのものを知っていた人も、まさかそれが近所だとわからなかったようです。外国において自分たちが情報弱者だということを思い知らされます。

こんな時、テロがあるといつもメールをくれる大使館からも今回は何も情報がありませんでした。テロと呼ぶほどのものではないのでしょうか?知らないところでこのレベルの事件は山ほど起きているのかもしれません。また様々な目的で滞在する日本人がどこに多く住んでいるなか、大使館がすべての居住区を把握することは不可能です。それでも、学校や大使館、保護者、在仏企業、日本人会などでもっと情報の連携があれば、情報展開が少し早かったのではないか?と思わずにはいられません。

海外では情報のキャッチが遅れがちになる

いざというときどうしたら良いのか。今回事件が起きて一番不安だったのは、事件が9月末に発生したにもかかわらず、1週間以上事件そのものを知らなかったことです。

一番近所に住んでいた人はある日消防車と警察がたくさん来ていることはもちろん知っていました。翌日にはテレビカメラも多く来ていたそうです。ですが「ガス漏れかな?」と思っていたそうです。別の人は旦那さんが16区で爆弾事件があったこと自体は知っていたそうです。ですが、それがまさか自宅のすぐそばで起きたことということまではわからなかったそうです。

それもそのはず、別の友人が教えてくれた日本語で出回っていたというニュースの内容は以下のようなものでした。

◆パリで昨夜、爆弾テロ未遂の容疑で5人が逮捕。9月30日未明に、パリ16区の建物前に時限爆弾(不発)を仕掛けた容疑で逮捕。逮捕者の一人はイスラム過激化で当局にマークされていた人物。

もし前述のパパさんが見たという情報がこの程度のものなら、自宅に近いなんてことはわかるはずもありません。

日本では何気なくテレビをつけたり、インターネットを見れば日々のニュースがどんどん入ってきます。しかし外国に住んで間もないうちはどうしても現地の情報へのキャッチアップも遅れがちですし、解読にも非常に時間がかかってしまいます。

大きな事件が発生したときは、事件発生直後に特に情報が混乱することが予想されます。当局の公式見解が発表され、日本大使館を通じて情報が展開されるまでの間、自分でどうやって情報を収集し、パニックを起こさず冷静に行動できるようにするか。今回事件について1週間もの間、何も知らなかった自分に衝撃を受けつつ、情報収集をどうするかは大きな課題だと感じました。

日頃から情報収集の訓練をする

さて、今後のために私はどうするか?これを機に考えてみました。

フランスに来てからあまりテレビを見なくなってしまいましたが、朝のニュースはわからなくても流したほうがよさそうです。

また、私自身一番ストレスなくできそうだと思うのは、パソコンで現地の新聞を斜め読みすることです。パソコンならgoogle翻訳でワンクリックで全文翻訳することができます。例えば今回の事件のニュースを見てみましょう。こちらが今回の事件を伝えるフランス誌のWEBサイトです。

http://mobile.lemonde.fr/police-justice/article/2017/10/06/bonbonnes-de-gaz-a-paris-trois-suspects-ont-ete-deferes-au-parquet_5197486_1653578.html

これを画面右上のGoogle翻訳ボタンをクリックすると全文日本語に変換されます。

若干翻訳の意味の解らないことはありますが、英語翻訳と原文と交互にみていくと大体のことは把握できます。原文から一つ一つ辞書を引くよりはるかに早く情報収集をすることができました。

なお、残念ながらiPhoneだとWEBのページを一度写真を撮ってからGoogle翻訳のページに落とさないといけないので、かなり手間がかかります。また、一度に翻訳できる文字数も少ないので、新聞を翻訳して読みたい時はパソコンのほうがよさそうです。

Google翻訳を使って日々ニュースを読む方法は有事の情報収集だけでなく、フランスの何気ないニュースも見ることができるので、フランス社会や文化を知るよい勉強になりそうです。

というわけで、テロが頻発するなかで自分の身を守るためにどう備えるか、というレポートでした。長く住むほど情報収集力も向上していくと思いますので新しい方法が見つかった際はまたアップデートをしていこうと思います。