子どもの遊びたい!を全開にする スウェーデンの楽しすぎる公園たち
スウェーデンを旅行していて気が付いたことが、子どもが心から楽しめる公園がそこかしこにあるということ。そのおかげでこれまで欧州で旅行した中で一番子連れ旅行が楽な国でした。
一番の特徴は子どもの「楽しい」を形にしていること。非日常的なデザインでついごっこ遊びや体を動かしたく遊び場が数多くありました。
今回は旅行の途中で出会ったそんな楽しすぎるスウェーデンの公園たちをご紹介します。
ストーリーのある個性豊かな子どもの遊び場
今回、ストックホルムとマルメの二つの都市を旅行しました。そこで観光地であるなしに関わらず、行く先々で楽しい公園に出会うことができました。
まずは最初にご紹介するのはマルメ市の公園。前回「遊べる図書館」としてご紹介した図書館の隣に、自然をイメージしたとってもかわいいデザインの公園がありました。
海の波をイメージした地面、植物のような有機的な形のジャングルジム、虹の滑り台、この他にも虫のお家のようなポコポコしたものなど。
テーマのある楽しい遊び場は世界中にありますが、ここの公園はなんだか虫の世界に迷い込んだような公園です。
ロケット型の高い塔も子どもたちが夢中になってよじ登ったり、滑り下りたりしていました。身体の大きな子たちはこのちょっと難しいけどクリアできそうな遊具に何度もトライしていました。
また、こちらはストックホルムで出会った公園です。旧市街ガラマ・スタンの対岸にあり、ストックホルムを一望できる丘の上にあります。私たちが遊びに行った日は最高にお天気が良かったこともあり、すぐそばではたくさんの若者がピクニックを楽しんでいました。
こちらの公園の特徴は何といっても、公園内のミニチュア農園!
本物そっくりの農場のお家に牛小屋。真ん中には馬車もあって農園主になったような気分が味わえます。
家の中も凝っていて、本格的なキッチンに壁には額縁に入った絵まで!
家具もそろっていてごっこ遊びも盛り上がります。これなら冬が厳しいスウェーデンでも楽しく公園遊びができますね。
子どものときってこういうミニチュアサイズの場所にこもって遊ぶのがとっても楽しかったですよね。ママも子どもに戻って遊びたい!と思わず思ってしましました。
また、単にミニチュアの家であるだけでなく、ちゃんと滑り台も隠れていたりして公園らしくなっています。
我が家の子どもたちもキャーキャー言いながら動き回っては楽しい仕掛けを探し回っていました。午前中は近隣の幼稚園の子どもたちもたくさん来て、我先に!と公園に走っていき地元の子どもにも大人気なようでした。
高学年以上でも遊べる公園
さて、小さな子ども向けの公園は日本にも沢山ありますが、ある程度大きくなった子どもはどうでしょう?
これまでずっと疑問に思ってきたことなのですが、10歳前後になると急に子どもたちを公園でみかけなくなります。
お友だちの家に溜まるようになるのか、スポーツクラブなど習い事に行くようになるのか、塾通いするのか?
我が家は子どもがまだ小さいためわからないのですが、日本でもフランスでも高学年以上の子どもを公園で見かけることはそれほど多くはありません。日本の場合、たまにいるなと思っても座り込んでゲームをしていたりします。
そんな風にある程度大きい子が外で遊ぶ姿をみかないことを残念に思っていたのですが、スウェーデンでは10代の子どもでも公園で楽しめるように、スケートボード用のサイトのある公園がありました。
画像はストックホルムの公園ですが、同様のスケートボード専用サイトがある公園はマルメにもありました。(写真を撮り忘れたので、googleさんからお借りしました)
子どもが遊ぶ天才です。でも、やはり居場所を作ってあげないと、今の時代はどうしても家の中やどこか大人の目の届かない場所にこもりがちになります。
それも一つの遊び方ですが、思春期に入るぐらいまでは外で思いっきり体を動かしてほしい、と思うのも親心です。
このストックホルムの公園では小さな子どもの遊び場と隣り合わせで、それぞれ年齢に応じで自然とすみわけをしていました。
また大人でもスケートボードを楽しんでいる人も。そんなオープンな雰囲気が内に閉じこもりがちな10代の世界を自然と外に引っ張り出し、街のなかに溶け込ませていました。
日本でも高架下など薄暗い場所に若者の聖域な場所ができがちです。
そういう聖域がその年代特有のクールさで子どもたちを惹きつけるのは理解できますが、せめて思春期が始まる前の小学校高学年ぐらいまでは太陽の光を思いっきり浴びて、思いっきり遊べる場所があったら良いですよね。
公園は子どもたちの居場所
フランスでもエッフェル塔やルーブル美術館の近くに子どもの遊び場が整備されていて、子どもが飽きない工夫がされています。それでもスウェーデンの公園や遊び場は子ども自身が心から楽しめる場所として、そして子どもたちの居場所として一歩進んだデザインになっていると感じました。
子どもたちにとって学校はもちろん大切な居場所ですが、放課後の公園もとても大切な場所です。私自身も子ども時代を振り返ると、学校と同じぐらい、友だちや兄弟と過ごした公園の思い出がたくさんあります。大人に干渉されず、でも安全に遊べる場所はとても重要です。
そういう意味ではスウェーデンの公園では子どもたちがつい遊びに行きたくなる、そして飽きずに自分たちの想像力で遊びを生み出せるデザインがしっかりされていました。そのことで公園の遊び場が小さな子どもたちから思春期の居場所としてきちんと機能していました。
この点は日本でももっと遊びたくなる公園に作り替えていくことで、公園や公民館に集まっても子どもたちがDSなどのテレビゲームをしている現状を変えていくことができるのではないでしょうか。
スウェーデンの公園には新しくて、でも懐かしい公園の姿がありました。