フランスで処方されたアトピー治療の薬(子ども用)

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病院でアトピー治療薬を処方してもらう

フランスに来て丸半年。ついに小学生の長男が日本で処方されたアトピー薬がなくなってしまいました。1か月ぐらい市販の保湿剤で粘りましたが、ついに痒みが痛みに変わってしまうぐらい悪化してしまいました。これ以上の対処療法は無理、ということで、病院に行って薬をもらうことにしました。

行ったのは「アメリカン・ホスピタル(アムリケム・ド・パリ)」です。アメリカン・ホスピタルはパリ市の隣のヌュイイ=シュル=セーヌ市にある総合病院で、内科に日本人ドクターの三村先生がいます。そのため多くの日本人が三村先生に診てもらうため、まずはアメリカン・ホスピタルにかかるという日本人に大変馴染みのある病院です。三村先生はパリでは内科を担当されていますが実は専門が皮膚科。ですので、迷わずアメリカン・ホスピタルに子どもを連れて行きました。(自宅からは1時間ぐらいかかるのですが・・・。)

一応日本で処方していた薬が何かを先生に正確に伝えるため、日本から持ってきたお薬手帳を持っていきました。日本ではアズノール軟膏とアルメタ軟膏の混合薬をこの2年ほど使っていましたが、残念ながらフランスにはないとのこと。そこで代わりに処方されたのがLocoid(ロコイド)という薬です。

ロコイド自体は何となく聞いたことがあるなと思ったのですが、日本でも処方される薬のようです。いわゆるステロイド剤で強さは5段階中上から2番目の4で中程度の強さです。家に帰って調べてみると、フランスでアトピーの診察を受けた人で全く同じパッケージの薬をもらっているようですし、割と効いているようなので、まずはまともな薬がもらえたと一安心です。

このほかに、Grycerol Vaseline Paraffineというお薬をもらいました。「グリセリン」と「ワセリン」と「パラフィン」ってザ・保湿剤な名称ですね。良く日本の保湿剤に入っている主成分名がそのまま商品名になっているんですけど(笑)ほとんど油脂分のみ。逆に香料だの、何か効きそうな成分が一切ない割り切りが潔くて素敵です。

処方箋を持って薬局に行く

さて、処方箋をもらって一安心だったのですが、すぐに薬をゲット!といかないのが外国のつらい所。薬を受け取るのに処方してもらえる薬局がなく、はしごしてしまいました。

まず最初は自宅に一番近い薬局に行きました。ところが最寄りの薬局では処方された薬の取り扱いがないとのこと。なーにー!?閉店間際に行ったのが悪かったのか?それとも本当にないのか?うーん残念。これで一晩、長男はまた痒みと痛みを我慢しないといけません。仕方がないので、その日は日本から持ってきた超普通のワセリンでしのぎました。

次の日、日本人会に用事があったついでに通りがかった薬局によってみました。小さな薬局でしたが、16区の超高級住宅街にお住まいとおぼしきムッシュが何やら薬をもらっている。もしかしたら意外と取り扱っている薬の種類が充実しているかもしれない。ダメ元で入ってみるとあっさり「あー、あるよ」とのこと。良かった!昨日の薬局には無かったのでマイナーな薬なのではないか?と少し冷や冷やしてしまいました。

ちなみにお値段はふたつ合わせて6.8ユーロ。これが高いのか安いのか微妙ですが、「外国で薬をもらうと保険が効かず、とんでもなく高価なのではないか?」とドキドキしていたので、思ったより安くて安心しました。保険については・・・。実はよくわかっていません。我が家の保険はフランスの保険ですが、立替払いで後で払い戻しを受けるタイプです。もしかしたら薬の領収書を出したらこれも帰ってくるのかもしれません。

おかげさまで薬を塗って2日でみるみる長男の肌は回復しています。長期使用の良しあしは何とも言えませんが、まずはつらい状況が改善しているのでこのまま先生の指示に従いたいと思います。

※ロコイドの中長期の臨床についてはこちらのサイトに載っています。これを見る限り副作用は少なそうです。

ヒドロコルチゾン酪酸エステル(ロコイド軟膏)

病院でアトピーを治す

さて、今回この記事を書くにあたりフランスのアトピー治療で面白い情報にあたりました。

アトピーは水で治るのか?

オーストラリア在住の女の子が南仏のアヴェンヌにある病院で重度のアトピーが治ったという記事です。アヴェンヌは温泉水を使った化粧水でも有名ですよね。オーストラリアの情報番組で報道されたという動画を見ると、アヴェンヌの湧水を飲んで、シャワーを浴びて、その水を使ったクリームで1か月保湿してアトピーが劇的に改善したのだとか。田舎にあるとっても小さな村に病院ですが、このオーストラリアの女の子だけでなく重度のアトピーに悩むたくさんの子どもたちや大人が集まってくるそうです。

個人的には水うんぬんより大人の美容エステみたいに全身をたっぷりクリームで保湿したのが効いているのでは?なんて思ってしまいましたが、小さな女の子が生まれて初めてきれいな肌を手に入れ、ステロイドから解放された、というレポートを見て涙が出そうになりました。全身のアトピーに悩んできっと学校に行くのも大変だったんだろうな。遠くオーストラリアからフランスの小さな町に一か月滞在して毎日きれいな肌になることを夢見て、実際に肌が劇的に良くなって良かったと母子で喜ぶ姿に胸を打たれてしまいました。これで学校に楽しく通えるようになるといいですね。

番組ではアヴェンヌ水を使った化粧品でも効果がある、ということでした。そういえば昔アトピーに悩んでいたお友達がアヴェンヌ水をいつも持ち歩いていたな。もしかしたら本当にアトピーを改善する効果があるのかもしれません。息子は軽度のアトピーで薬で十分対応できそうですが、アヴェンヌ水にも注目してみようと思います。

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