ヨーロッパで熱波に襲われたときの対処方法
季節外れの熱波
今週の6月の夏至のころ、フランスは季節外れの熱波に襲われました。近年、フランスはたびたび熱波に襲われていますが、今回は6月に発生した熱波として記録的なものだったようです。
「エアコンがないパリで暑さを乗り切る4つの方法」でも紹介しましたが、フランスのほとんどの家にはクーラーはありません。そもそも、パリでも北海道と緯度が同程度なので、本来は夏でも涼しい国です。一旦気温が上昇してしまうと、部屋の空気を冷ます手段がないので、部屋を暗くして室温があがらないようにするか、熱気が収まって部屋が涼しくなるのを待つしかありません。
辛いのが深夜0時の時点でまだ30度以上あること!夏至のシーズンで23時でも空がうす明るくく感覚的には日本の18時ぐらいの感じです。暑さのピークも夜の21時ぐらいにくるので、寝苦しくて仕方がありません。明け方でようやく27度という状態で、極度の寝不足になってしまいました。
フランスの気象庁の推奨
そんな熱波を乗り切るための方法がフランスの気象庁のTwitterで紹介されていました。
Rappel || Que faire en cas de fortes #chaleurs et #canicule ? Les précautions à prendre : https://t.co/es3aPLZtg0 pic.twitter.com/7Zxqn9MoD1
— Météo-France (@meteofrance) 2017年6月20日
- 定期的に水を飲みましょう
- 身体を濡らして風に当てましょう
- 身近な人に最新の情報を伝えましょう
- アルコールは飲まないようにしましょう
- 家を涼しく保ちましょう:日中は鎧戸を閉めましょう
- 十分な量を食べましょう
- 身体を使うことは避けましょう
うーん、暑さになれている日本人からしたら当たり前のことも多いですが、「鎧戸を閉める」「アルコールを飲まない」はフランスらしいですね。ちなみに「鎧戸を閉める」は実際にやってみましたが、これが家を快適に保つためには一番役に立ちました。熱波でない日も、日が良く当たる部屋は基本的に閉めるようにしています。部屋が暗くなってしまいますが、その分日が長いので外出を楽しむのがフランス流の暑さ対策なのかな?
街で見かけた暑さ対策
さて、とにかく暑かった今週ですが、街に行くと日本人からするとびっくりするような暑さのしのぎ方に遭遇することがありました。
ショッピングセンターに入り浸る
先輩日本人ママさんたちから最終手段として伝授されていた方法ですが、パリで主婦が一番冷房が効いていて、長く過ごせるのはショッピングセンターで一日を過ごすというもの。冷房慣れした日本人の私には唯一ホッとできる時間でした。今回の熱波ではフランス人にとっても同じようで、熱さが一番厳しくなる17時以降は沢山のフランス人が涼みに来ていました。
驚いたのはショッピングセンターの通路にフランス人が堂々を座り込んでしまうこと。まるでショッピングセンターでピクニックをしているかの如く、グループや家族で座って談笑しています。人目が気にならないのか、はたまたそうでもしないといられない異常事態なのか?いずれにせよ、普段はガラガラのショッピングセンターに人があふれかえっていました。日頃あまりに人がいないのでどうやって売上立ててるのかしら?と不思議に思っていましたが、暑い夏とソルドで稼いでいるのですね(笑)
ちなみにこの方法、「散財しやすい」という重大な欠点があります。普段高くていかないカフェのパリですが、少しでも涼をとりたくて、3日連続で子どもとショッピングセンター内のカフェによってしまいました。
水を頭からかぶる
もう一つ驚いたのは、道を歩いていたらおもむろに若いお兄さんが大きなビニール袋に入れた水を頭からかぶっていたこと。やっぱり人目とか気にしないのね~。通りすがりの別の若者お兄さんも関心したようで、親指をたてて「いいね!」のサインをしていました。新しい友情が生まれた瞬間かもしれません・・・。本当にフランス人はおおらかで素敵です。
幸い、今回の季節外れの熱波も今回は短めで4日~5日で終わりました。2003年の熱波の際は10日間続き、1万人以上の人が熱波で亡くなったそうです。空調設備が普及していないヨーロッパの熱波は命取りになりかねません。
まだまだ夏に向けて熱波が発生可能性もありまるので、今後も対策のバリエーションを増やして気をつけていきたいと思います。
※昨年2017年6月に書いてから1年、2018年夏も再び猛暑、ということでその後さらに見聞きした対策を追記します。
プールに行く
パリジャンのフランス語の先生から教わった方法ですが、暑い日はプールに行くそうです。多分20代後半の先生ですが、プールに行くという発想がなんだか優雅でオシャレに聞こえてしまうのは私だけでしょうか(笑)でも屋内に冷房がないので、これもある意味合理的。
パリにも公営のプールが何か所かありますし、15区のすぐ外にAquaboulevard de Parisという東京のとしまえんのような大型プール遊園地もあります。特にお子さん連れは暑い日のレジャーを公園から水辺に切り替えるのも楽しいですね。
Découvrez notre #nouveau site internet de l’#Aquaboulevard de #Paris ! Une #billetterie en ligne est maintenant #disponible ! #parcaquatique pic.twitter.com/TpYfbjSSSH
— Aquaboulevard (@Aquaboulevard) 2016年10月25日
映画館で4DX映画を観る
昨年は暑い日はショッピングモールで過ごすということで暑い日をやり過ごしましたが、今年は一歩進化して、子どもとモール内の映画館に行ってみました。これだと余計な衝動買いもないですし、座った状態で長時間建物の中に滞在できます。この際、言葉わからないし・・・なんてことは置いておいて思いっきり楽しんじゃいましょう。
ただ映画を観るのも良いのですが、どうせならもっと涼しくなる方法、ということでご紹介したのが、4DXという最新テクノロジーを使った体験型の劇場です。ちょうどミッション・インポッシブルがやっていたので子どもと見に行ったのですが、これがまた楽しくて涼しい!冷房が弱いパリの中でも、暗くて良く冷えた映画館で映画に合わせて風がビュンビュンふいたり、水しぶきがかかったり、スリル満点の映画を2時間半見終わったころには、サンダルに素足の足が少し冷えてしまうぐらい涼しくなることができました。冷たい飲み物も買ってみればさらに涼しくて快適です。
エヴィアンのスプレー缶をかける
この方法は南仏を旅行していたときにしばしば見かけた方法です。
化粧用のエヴィアンのスプレー缶を体にシューーっと吹き付ける方法。薬局で一番大きい300mlサイズが4〜5€で買うことができ、カバンにスプレー缶を持ち歩けばいつでもどこでも手軽に体を冷やせます。
また、化粧水といってもエヴィアンの温泉水なので無臭です。化粧水の独特な臭いが苦手な人も大丈夫ですね。強烈な日差しが照りつける南仏旅行ではかなり重宝しました。ただし、飛行機にはのせられないので、現地で購入してなるべく使い切りましょう。
というわけで2018年版、欧州での熱波対策を追記してみました。
今後2022年までは異常な高温状態がさらに継続するという報道もあるようです。暑い日は無理をせずしっかり体を冷やす対策を取って乗り切っていきましょう。
アイキャッチ画像:Photo by Amelia 🇺🇸 on Reshot
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