フランス語が話せなくも大丈夫!現地校に通う親のための無料フランス語講座はめちゃめちゃ実用的だった!

とりあえず悩んで子どもをフランスの現地校に入れたけど、学校からもらったプリントに書いてある内容もさっぱりわからないし、学校のシステムもわからない。

そもそも、私はフランス語が全然話せなーーい!!!

という方はご安心ください。フランスでは公立学校に入学した外国人の「親」のために無料フランス語講座があるのです。

なんと、この講座はフランスの幼稚園から高校まで対応していて、学校でよくある手続き、先生とのやり取り、教育システムなど、フランスの公立校に子どもを通わせる親の知りたいことがギュッと詰まった講座なのです。

今回は、筆者の体験談をもとに、親のための無料フランス語講座についてご紹介します。

目次

外国人の親のための無料フランス語講座

10月第1週の月曜日からフランス教育省が主催するフランスの公立校に子どもを通わせる外国人の保護者のための無料フランス語講座(OUVRIR L’ECOLE AUX PARENTS POUR LA REUSSITE DES ENFANTS)が始まりました。

この講座は公立幼稚園や小学校等に通う「フランス語が話せない親」向けに地域の小学校を開放して無料でフランス語講座をしてくるという大変ありがたいプログラムです。

期間は10月から学年末の翌年6月までの9カ月間。週に2日、2時間の授業を受けることができます。

しかも、学年末にはなんとプログラムの最後にはDELFと呼ばれるフランス政府公認のフランス語技能検定を無料で受けることができます。

DELFは期限のないTOEICのようなもので、一回合格すると一生有効です。私たちが受講するクラスでは最終的に一番下のA1ランクの合格を目指しますが、これは日本のフランス語検定3級と同等のレベルです。

しかも、しかも、このDELFの試験は個人で申し込むと150€もするのです。

9カ月無料でフランス語が受講できるうえに、試験まで無料!本当にお得な講座です。

2017年9月から5歳の次男が現地校に通い始めたところ、校長先生に「ぜひあなたに受けてほしい」と紹介を受けて、受講することになりました。ほぼ通ってくる日本人もいなそうですが、きちんと学校とフランス語でコミュニケーションできるようになりたいということと、日本人コミュニティ以外のつながりも欲しいと思い、思い切って受講することにしました。

授業の内容は非常に実用的

さて、このクラスの特徴は

  • 子どもが学校に通うにあたって困らないように親自身が最低限のフランス語を身に着けること
  • フランスの学校システムを理解すること
  • フランスの文化を理解すること

という3つの目標があります。

▼本講座の理念についてはこちら

そのため、授業の内容は漠然とフランス語を学ぶというよりすぐ使えるプログラムになっています。

例えば、初日の授業では”Je m’applez ・・・”という自己紹介の基本構文や、生年月日、出身国、出生地、性別、子どもの有無などの会話表現を練習します。

一通り口語の練習をした後、授業の最後に先生がおもむろに紙を配り「さあ、みなさん今日習ったことをこの紙に書いてみしょう!」と指示をだしました。言われた通りに、名前、姓、生年月日などを記入したところ、その紙がそのままプログラムの申込み書になっていました。なるほど、今日の授業はこのためにあったのね(笑)なんて合理的!

また、小学校で授業を行うため、フランスの学校ツアーをしてくれました。

各教室や図書館、アート用の教室、校庭、食堂などを見学して、該当する単語を学びます。

また、面白いところでは各小学校には必ず、現職の大統領の写真が貼ってあることや、フランスの象徴である「マリアンヌ」という女性の胸像が飾ってあることも教えてもらいました。あの有名な「自由の女神象」もマリアンヌなんだということも教わりました。こうしたフランス独特の文化もこの講座では教わることができます。

フランスの学校の入り口にかならず飾ってある「マリアンヌ」の胸像

単に語学を学ぶだけでなく、典型的な小学校の様子や、フランス人が大切にしている価値観や文化を学ぶことができるのもこの講座の良いところです。

国際色豊かな生徒たち

さて、このクラスには様々な国の親たちが通ってきます。

私たちのクラスではトルコ、チリ、ペルー、カザフスタン、エリトリア、フィリピン、台湾、ベトナム、そして日本の生徒がいます。

ほとんどがお母さんですが、夫婦で通っている人もいます。

職種も外交官のお家もいれば、ビジネスできている人、軍隊関係や、移住してきた人など様々です。

旦那さんの仕事についてきた人で、フランスでは働いていないお母さんたちも、本国では弁護士だったり、警察官だったという人もいます。結婚している人もいますし、離婚して単身子連れで来ている人もいます。

様々なバックグラウンドの保護者がそれぞれフランスで子どものためにサバイバルしようと、ともにフランス語を学んでいるので、2回目の授業ではすっかり打ち解け、みな前向きに勉強しようという熱意を感じることができました。これは大学生の時に夏休みに通ったアメリカの語学学校ともまた違った雰囲気で、これからの一緒に勉強するのが楽しみになりました。

というわけで、無料とは言え、非常に実用的に中身が濃いフランス語の勉強ができそうです。この授業についてはまたちょくちょくレポートしたいと思います。