フランス版ランドセルが可愛い!でもあの悩みは日本と同じようです・・・
7月2週目からフランスの学校が一斉に夏休みになりました。
夏休みに入り、あと1週間もすればパリジャンの多くは暑いパリを脱出して、世界中にバカンスに出かけることでしょう。
こうしてフランスの子どもたちの余裕のある暮らしを見ているとなんとも羨ましいかぎりです。
さて、夏休みに入りパリでは同時進行中のセールもますます盛り上がっています。その横で着々とスペースを増やしているコーナーがフランス版ランドセル Cartable(カータブル)のコーナー。
今回はフランスの通学かばん、カータブルと日仏で共通する子どもたちのあの悩みをご紹介します。
フランス版 ランドセル Cartable(カータブル)
パリの子ども用品店では夏ものセールとは別に9月の新学期スタートに向けて新たに設置されているのが学用品コーナーです。アメリカなどでは”Back to school”というキャッチコピーのあのキャンペーンですね。
その中でひときわスペースを取っているのがフランス版ランドセル、カータブル。
日本のランドセルと違って決まった形は本来無いようですが、フランスでは布製で横長のかばんを背負っている小学生を多く見かけます。
ちょうど日●研や公●式などの塾に似た雰囲気です。
なお、特に決まりはないので、フランスのカータブルは様々な柄が売られています。
こちらはパリの庶民はデパートBHVの文具コーナーでみつけたカータブル。カラフルでかわいいかばんが並んでいます。
日本だと地味になりがちな男の子ものもポップな柄のかばんを売っていました。
こちらはボン・マルシェのすぐ近く、7区のオシャレな子ども雑貨店。雰囲気日本のアクタスのようなインテリア兼雑貨やさんです。
このお店ではよりオシャレなかばんが売られていて、そんなに長く子どもをフランス小学校に通わせる予定もないのにうっかり買ってしまいそうになります(笑)日本ならちょっとおしゃれなお稽古バックとして使ってもかわいいですよね♪
なお、実際に街中で見かけるかばんは男の子は無地の紺、女の子はえんじ色のシンプルなものを一番良くみかけます。その辺はやっぱり保守的なフランス人です(笑)
フランス人も「かばんが重すぎる」事に悩んでいる
さて、とっても可愛くて種類が豊富なカータブルですが、実は日本と同じ悩みを抱えています。
それは、通学時のかばんの中身が重すぎるという点。
日本の学校も、元々ランドセル自体が重いうえに、中身がぎっしり詰まっていて、10歳に行かない子どもたちが5kg近く背負っている日もあり、見ていて本当にかわいそうになります。
フランスもかばん自体は布なので軽いのですが、教科書が日本よりも分厚くて重いという事情があり、1995年の調査では子どもの体重の3分の1にも達する重量を背負っていた、という報告もあるようです(注)。
日本では小学校1年生の平均体重が21㎏ということなので、体重の3分の1というとなんと7kgに!大人でもそんな重さを背負うのは一苦労です。なお、フランスでは通学時に背負うかばんの重さは10%未満であることが望ましいという医療機関からの勧告もあるそうです。確かに本来2㎏が適正のところ、7kgも背負っていたら大変ですよね。なんて言ったって5㎏の米袋を毎日かついでいるのと同じなんですから。
この教科書が重すぎる問題は20年以上たった今も解消されておらず、中には成長過程で背骨が湾曲する異常と関係があるのでは?という懸念も根強くあるようです。
なかなか解消されない教科書重すぎる問題に業を煮やし、フランスのカータブルにはスーツケースのようにゴロゴロ運べるタイプもとうじょうしています。
ただし、これは次男が通う学校では禁止されているなど、まだまだ市民権を得るまでには至っていないようです。
というわけで、教科書重すぎる問題は日本だけの問題ではないのですね。
なお、フランスでは教室でのタブレットの活用も始まっており、今後は通学時の子どもの負担を減らす意味でも需要が増えるのかもしれない、なんて思ってみました。
(注)参考:Cartables et manuels scolaires : rapport à monsieur le Premier ministre