悪評多いけど大丈夫?子連れでパリ初ライアンエアー に乗ってみる

人生初のLCC利用でライアンエアー を選んでしまったものの、数々の悪評で不安だらけ。ところが乗ってみたら拍子抜けするほどトラブルなく、普通の国内線と同じ感じで乗ることができました。特に悪評の元になっていたライアンエアー 独特のルールも2017年12月現在無くなっていたものもありました。 ライアンエアー の最新状況をレポートします。

目次

悪名高きLCC

イギリスのライアンエアー は欧州最大のLCCで、最も就航数が多く料金も安い航空会社です。ただ、安さを追求するあまり、厳しい独自ルールを設定しているが故に最も顧客満足度が低いLCCでもあります。

ネット上で話題になっている利用者が困るポイントは

  • 空港が街からかなり遠い
  • visa/passport extra document checkなる謎の手続きが面倒かつ忘れると絶対飛行機に乗せてもらえない
  • 手荷物の持ち込み制限が異常にシビア

の3点でした。

安い分不便を乗客にしっかり強いるために、好き嫌いがハッキリ分かれるのだそうです。

空港は確かに遠い

さて、今回パリ発セビリャ行きの便に乗るにあたりパリから車で1時間弱のBeavais空港で乗ることになりました。

っていうかBeavais空港ってどこ?ですよね(笑)

パリの空港といえば、国際線のシャルル・ドゴール空港と、国内線のオルリー空港が定番です。いずれも市内から公共交通機関を使って30分ほどの場所です。

ところがこのBeavais空港はパリから100kmほど離れたところにあり、高速道路を130kmでぶっ飛ばして走っても1時間はかかるのです。パリからの交通手段は空港行きのバスしかありません。

地図で見てももはやパリ周辺と呼べる場所ではなく、イルド・フランスも出てしまってます。日本で言ったら茨城空港を東京路線と呼んでるのと同じイメージです。

ただ、遠いのにもメリットがあって、ど田舎にあるので駐車場が安い!なのでパリ在住の家族連れであれば車で空港まで行って、旅行の間車を置いておいても空港行きのバスより安く利用できます。ドア・ツー・ドアでいけるので小さなお子さん連れにはむしろ便利です!

visa/passport extra document checkは無くなった!?

さて、空港に着いたらEU圏外の人が必ずしないといけないのがvisa/passport extra documentというライアンエアー 独自の手続きです。

これは到着空港で入国拒否をされた乗客がいた場合、乗せた航空会社の負担で出発空港まで戻さないといけないというルールがあるならなんだそうです。そうした負担をしないために事前にライアンエアー がビザとパスポートをチェックするというものです。特にビザやパスポートの有効期限が切れてると乗せてもらえません。

しかもこれを忘れてしまうと、搭乗口で搭乗拒否され、絶対に飛行機に乗せてもらえないという恐ろしいルールです。さらにアナログでの確認作業になるためチェックに時間がかかるなのだそうです。ライアンエアー の搭乗レビューのなかでも、日本人が要注意すべきポイントとして警告が沢山出てくる項目です。

まあ、ビザとかパスポートとか普通外国にいたら切らさないでしょ、と日本人なら思うと思いますよね?でもフランスだとビザが切れたのに次のビザが中々でなくて半年待ってる・・・なんてことは非常に良くあることなので、結構困るみたいです。あと、親の滞在許可証はやっとでたけど子どもはまだ・・・というのも家族連れあるあるです。

ターミナルに到着した我が家もまず最初に手続きすることにしました。

ところが、それらしき受付も行列もどこにもありません・・・。困ってインフォメーションカウンターで聞いたところ「手続きは不要」とのこと。

え!?そうなの?だってライアンエアー のオフシャルページにも書いてありますけど・・・。

I’m a non EU/EEA passenger do I need extra travel document/visa check?

全てのEU圏外の搭乗者は空港のセキュリティチェックを通る前に、ビザ等の書類についてカウンターでチェックを受け、スタンプをもらわないとならない(筆者意訳)

しかも太字で書いてあるんですけど。あまりに腑に落ちなくて、再度搭乗口でも確認ところ

「あー、もう要らないよ」

とのこと。

ふーーーん。。。じゃあ、オフシャルページ直しておいてーーー(涙)という感じですが、シェンゲン協定を結んでいてパスポートコントロールが不要な路線はいつのまにかビザ事前チェックの手続きは無くなったみたいです。

それでも搭乗口ではパスポートとチケットの名前が一致しているかは確認されました。パスポートが不要になったわけではないので、忘れずに持って行きましょう。

シビアな手荷物サイズチェックは無くなっていた

さて、最後の関門、シビアな手荷物持ち込み制限です。

ライアンエアー は手荷物のサイズを厳格に測られるエアラインとして有名でした。しかも搭乗間際でサイズオーバーを指摘され、違反すると罰金で追加で50ユーロ取られるといういやらしいルールです。

これが特に欧州市民か否か問わず悪評の根元になっていたわけですが、ここ1年ぐらいのレビューを見ると、厳密な手荷物サイズチェックはされなかったというレポートを多くみかけました。はたして手荷物サイズのチェックは無くなったのでしょうか?

結論としては、手荷物サイズの確認はされませんでした。

確かに搭乗口に手荷物サイズチェック用のボックスはおいてありましたが、誰も測っている人はいませんでした。また、ネットで見たときはライアンエアー のペイントがされていましたが、同じくBeavais空港に乗り入れているwizzというハンガリーの航空会社のペイントに直されていました。

わざわざ、微妙にサイズオーバーのスーツケースをやめて、家族4人分のリュックで荷物を持ってきたのに拍子抜けです。

ほかの乗客はというとほとんどの乗客もライアンエアー の特性を理解してか、ほとんどの人がかなり小さいめのスーツケースを持ってきているようでした。ライアンエアー の厳しすぎる手荷物サイズ規制は十分周知されているようです。

余談ですが、ベビーカーなどは搭乗口まで持っていくことができるようでした。その点は小さな空港で小回りが利く利点ですね。

また、重要な変更点としては2018年1月15日以降、10kg未満のバックであってもプライオリティチケットなどを購入していない一般客は無料で荷物を預けるルールになるようです。(無料となるのは最初の1個のみ)

ライアンエアー の荷物ポリシー

これは乗る人数に対して機内の荷物スペースが十分でないことに対しての措置と思われます。

実際私たちが搭乗したのもこのルールの適用外でしたが、スーツケースの乗客は荷物を預けるように搭乗口で指示されていました。我が家はリュックなので声をかけられなくてラッキーでしたが、飛行機の棚が一杯で荷物を入れるのに苦労しました。

少ない棚問題を解消するために、これまでの厳しい荷物チェックをやめるかわりに、これまで持ち込みOKだった荷物を無料で預かるのは、利用者にとってもストレスが減るので致し方ないかもしれません。

快適ではないが普通の旅はできる

さてライアンエアー の悪評の元になっていたポイントですが、空港が街の中心部から遠いことを除いては2017年12月31日現在では普通にストレスなく搭乗することができました。

Beavais空港のターミナルにはカフェがあって簡単な軽食が取れますし、一番大きなターミナル1はミニスーパーとお土産物やさん、軽食屋もあり子どもと快適に過ごすことができました。

また、セキュリティチェックを受けた後も免税店、売店、軽食屋もあり、20〜30分程度なら十分時間を潰せます。

少し不便だったのは搭乗口側の待合スペースは椅子が少なく、多くの便が発着する時間帯は座れなくて困りました。ベビーカーは搭乗口まで持ち込めるので小さなお子さんを連れてる方は持って来た方が良いでしょう。

売店には子ども用の雑誌も充実して手荷物の重さを気にして持って来なかった人でも直前に調達するこどできます。

日本よりこの手のものは種類が豊富なのはありがたいですね。

サービスレベルとしては、国内線のバスや電車と同等と思っておけば間違いないでしょう。豪華な国際線ターミナルや主要な都市空港と比べると非常にシンプルですが、その分空港内の移動もコンパクトであまり歩かなく良いし、子連れにはむしろ気が楽かもしれません。

何より値段が安いのはファミリーにはありがたい!私たちが乗った便も年末のUターンラッシュと重なり、子ども連れのファミリーが大勢乗っていたせいか、あちらこちらで子どもの泣き声や笑い声が。さながら保育園状態でしたが、目くじらをたてるお客さんもいませんでした。

まあ、安くて選んだんだから仕方ないよねとあきらめ顔。そこに甘えることはしませんが、気が楽なのも親の本音なのです。

というわけで初めてのLCCで、上級者向けと言われるライアンエアー になり非常に不安でしたが、ファミリーでも問題なく利用できました。厳しい独自ルールも緩和されていたので、とにかくコスト重視!という家族連れにオススメです。